【再建築不可物件のリフォーム】申請あり・なしの範囲、ローン利用の注意点

再建築不可物件のリフォーム
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再建築不可物件は、築年数が数十年経過した建物や長年空き家になっている家も多く、住居として使うのであればリフォームやリノベーションが必須の物件も珍しくありません。

再建築不可物件のリフォームを検討されている方の中には、

  • リフォームはどこまで可能なのか?
  • リフォームローンは利用できるのか?
  • リフォーム業者の選ぶポイントは?

など気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は再建築不可物件のリフォームできる範囲、リフォームローンの利用方法・注意点、リフォーム業者選びのコツについて解説します。

再建築不可物件のリフォームはどこまで可能なのか

再建築不可物件 リフォーム
再建築不可物件でもリフォームは可能ですが、工事の規模や内容によって自治体に申請が必要となります。

大規模工事の場合は申請が必要

通常、住宅を修繕や増改築するには工事の規模が大きい場合、建築基準法六条一項第一号から第三号の規定により、確認申請を受けることが必要です。該当の条項には以下の三つの行為が申請の対象として規定されています。

  • 増改築
  • 大規模の修繕・模様替え
  • 用途変更

申請は各地方自治体の建築担当課か、自治体の指定した民間の検査機関へ行います。

参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六条第一項

申請なしでできるリフォームの範囲

確認申請なしで施工が可能な工事の規模は、建築基準法第六条二項に定められています。この規定では、工事内容が以下の基準を満たしていれば、事前の確認申請は不要としています。

  • 施工場所が防火・準防火地域の外
  • 広さ10平方メートル以下
  • 施工内容が増築・改築・移転のいずれか

防火・準防火地域とは、火災発生時に被害が深刻化する可能性の高い人口密集エリアが指定され、範囲内の建築物に一定以上の耐火性能を求める規定です。都市計画法九条二十一項に規定されており、建築基準法六十一条・六十二条に耐火性能の基準が定められています。

参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六十一条・六十二条
参照:電子政府の総合窓口e-Gov|都市計画法九条二十一項

六条二項の規定では、施工可能な広さが10平方メートル以下と非常に狭小です。浴室のみ・階段のみといった一部分だけなら可能なケースもありますが、内装を変えたり間取りを変更したりといった家全体のリフォームは難しいです。また施工の場所や内容にも制限を受けているため、大規模のリフォームをおこなうのは不可能です。

しかし、再建築不可物件を不動産販売サイトで検索してみると、新築同様にリフォームされた綺麗な中古戸建て住宅を多く見かけます。では、これらの住宅は全てルールを無視して建てられている違法建築物なのでしょうか。

4号建築物の場合はフルリフォームができる

実は、建基法六条二項の規定には例外があり、一定以下の規模の建築物は、新しく建物を建て替える場合を除き、施行に際して審査を省略することができます。この基準は建基法六条一項第四号に指定されているため、俗に4号建築物と呼ばれています。具体的には、以下の基準を満たすものが4号建築物として規定されています。

  • 二階建て以下の木造住宅で延べ面積が500平方メートル以下のもの
  • 平屋の鉄骨造の住宅で延べ床面積が200平方メートル以下のもの

再建築不可物件の多くはこの基準に適合するので、確認申請なしでも屋根と骨組みだけ残してフルリフォームすることが可能です。
参照:電子政府の総合窓口e-Gov|建築基準法六条一項四号

再建築不可物件でリフォームローンは利用できる?

リフォームローン
再建築不可物件でも、建築基準法の規定する範囲内であればフルリフォームが可能ですが、次に気になってくるのがリフォーム費用。

住宅ローンの場合、再建築不可物件だと申し込んでも審査が通らないことが多いですが、住宅ローンとは別に用意されているリフォームローンの場合はどうなのでしょうか。

無担保で利用できるため再建築不可でも借入が可能

再建築不可物件が住宅ローンの審査に通らない理由は、再建築不可物件は売却が難しく担保としての価値がないからです。

しかし、リフォームローン商品の多くは無担保でも融資を受けることができます。住宅ローンと比較して貸付上限額が低い、金利が高めに設定されているといった条件と引き換えにはなりますが、再建築不可物件の購入を検討している方には強い味方になり得ます。

既婚であれば団体信用生命保険に加入できる商品がおすすめ

リフォームローン商品の選ぶ方法はいくつか存在しますが、もし契約者が既婚者や子供のいる世帯の場合、団体信用生命保険に加入できる商品がおすすめです。

団体信用生命保険は、保険契約者が死亡したり身体障害を負ったりした場合に、住宅ローンの残高を保険会社が肩代わりしてくれる生命保険の一種です。一家の大黒柱の万が一に備え、ローンの負担から家族を守ることが可能となります。

住宅ローンで利用されることの多い保険ですが、リフォームローンでも加入可能な商品は多く存在します。保険料は金融機関に払う金利に0.15〜0.25%ほど上乗せされるのが相場となっており、ローンの返済と合わせて支払うのが一般的です。

気になる保障内容ですが、一例として住宅金融支援機構の「三大疾病付機構団信」の内容をチェックしてみましょう。この保険では、契約者が以下の状態に陥った場合、ローン残高の支払いを免除しています。

  • 身体に高度障害を負ったとき
  • がん・急性心筋梗塞・脳卒中により重度の後遺症が残ったとき
  • 死亡したとき

この他にも保険プランや、保険を提供している機関によって保障内容にはバリエーションがあります。リフォームローンは、ローンごとにどの団信に加入するか決まっていることが多いので、どの団信に加入することになるかでローンを選ぶのも一つの選択肢です。
参照:住宅金融支援機構|【3大疾病付機構団信】にご加入の場合

リフォームローンの利用に関する注意点

再建築不可物件の購入を検討する上で非常に便利なリフォームローンですが、利用にあたり、商品の性質や利用条件の面で注意点があります。

住宅ローンとセットになっているものは利用できない

リフォームローンの中には、住宅ローンの契約が前提となっている商品があります。再建築不可物件は資産価値が低く、住宅ローンへの加入が難しい物件です。そのため住宅ローンの加入が必須となっているリフォームローンは申し込むことができません。

住宅ローンと比較すると利率は高い

住宅ローンと比較すると、リフォームローンは金利がやや高い商品が多いです。一般的に住宅ローンの金利は1%〜2%が相場ですが、リフォームローンの場合は2%以上の金利のものが多く、高い場合は4%を超える商品もあります。住宅ローンと同じような感覚でリフォームローンを申し込むと、その金利の高さに驚くかもしれません。

地方銀行のリフォームローンは利用条件に注意が必要

地方銀行のリフォームローンは、職場の所在地が各支店の担当エリア内か、その地域の居住者しか契約できない場合があります。例えば千葉銀行の場合だと、契約可能エリアは神奈川県以外の関東全域と、神奈川県の横浜市・川崎市のみです。

地方銀行のリフォームローンを検討されている場合、自分が対象に入っているか確認が必要です。
参照:ちばぎん|住まいのリフォームローン

リフォーム業者を選ぶ4つのポイント

リフォーム業者 選び方
再建築不可物件をリフォームするにあたっては、言うまでもなく業者選びが非常に重要になってきます。悪徳業者を選んでしまった場合、施工代金を水増し請求されたり、強度の足りない手抜き工事をされたりと、トラブルになってしまうことも考えられます。

ここでは、トラブル回避のため施工業者を選ぶ4つのポイントをご紹介します。

リフォーム業者の各種団体に加盟しているか

リフォーム業界には、住宅リフォーム事業者団体登録制度といい、国土交通省が一定の水準を満たした事業者団体を登録し、消費者に公開するという制度が存在します。

参照:国土交通省|住宅リフォーム事業者団体登録制度

登録には団体の資力や人材育成制度の有無、消費者の相談窓口の設置など条件が設けられており、登録団体の会員事業者を選ぶことで詐欺まがいの業者などは避けることができるでしょう。

2019年7月現在、この制度には全国から以下の15の団体が加入しています。

名称
一般社団法人マンション計画修繕施工協会
一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
一般社団法人リノベーション協議会
一般社団法人ベターライフリフォーム協会
一般社団法人日本塗装工業会
一般社団法人リフォームパートナー協議会
一般社団法人全建総連リフォーム協会
一般社団法人住生活リフォーム推進協会
一般社団法人JBN・全国工務店協会
一般社団法人住宅リフォーム推進サポート協議会
一般社団法人住活協リフォーム
一般社団法人全国古民家再生協会
一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会
一般社団法人ステキ信頼リフォーム推進協会

リフォーム業者を選ぶ際は、この中の団体のどれかに加入している業者を選ぶと良いでしょう。

リフォーム瑕疵保険に加入しているか

リフォーム瑕疵保険は、工事ごとに施工業者が保険を申し込み、施工後の建築物に欠陥が発見された場合、修繕や再工事のための費用を補償してくれる保険です。また、建築資材を運び込んだ際、家屋の一部を破損したり傷をつけてしまったといった事故も保障の対象となります。

欠陥が発見された際にリフォーム業者が倒産しているようなケースでも、消費者が直接保険法人に保険金を請求することができます。リフォーム業者に問い合わせる際は、リフォーム瑕疵保険に加入しているかどうか確認しておくと安心です。

事前の見積もりと追加費用の確認

家の工事を行う場合、工事中に外観からは確認できなかった家の損傷が発見され、見積もり金額より多くの費用がかかってしまう場合があります。例えば、着工してから柱や壁の中のシロアリ被害が発覚したときなどが挙げられます。

このような事態に直面した際の費用について、契約する前に業者に確認する必要があります。施行戸数が豊富な業者であれば、過去の事例や経験からこんな場合であれば大体いくらぐらい追加、と概算金額を提示してくれるはずです。

反対に、概算すら出せない業者や、着手してみないと分からないと押し切ろうとする業者は警戒すべきでしょう。経験不足の場合や、最悪の場合詐欺業者の可能性もあります。

再建築不可物件のリフォーム経験があるか

再建築不可物件は、建て替えや建て直しができないなど、家の工事において通常宅地より制限事項が多いです。再建築不可物件のリフォーム経験がない業者だと、的外れなリフォーム内容を提案してきたり、施工や打ち合わせがスムーズに進まない可能性があります。せっかくお金を払ってプロに依頼するのですから、経験豊富な頼れる専門家を選びましょう。

まとめ

以上、再建築不可物件のリフォームできる範囲、リフォームローンの利用方法・注意点、リフォーム業者選びのコツについてご紹介しました。

再建築不可物件は、建築年数が数十年経過した古い家が多いですが、その分通常宅地より低価格です。リフォーム前提で購入するなら新築一戸建ての販売価格より安上がりな場合も多いです。

住居や店舗併用住宅としての利用が目的であれば欲しいという方も多いでしょう。

再建築不可物件のリフォームを検討される場合は、工事の規模や内容、リフォームローンの利用方法、リフォーム業者選びをしっかり確認しておくといいでしょう。