【旗竿地の売却】価格相場と高く売るための5つのコツ

旗竿地の売却
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旗竿地とは、四角形の土地と道路が長い路地で繋がっている土地のこと。その特殊な形状から、建て替えに規制を受けていたり、売買時に買い手が付きにくい等の問題に頭を痛める方も少なくありません。

旗竿地の売却を検討されている方の中には、

  • 価格の相場
  • 高く売るコツ
  • 売れない場合に見直すポイント

など気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は旗竿地の売買時の価格相場、売却する5つのコツ、売れない場合に見直す3つのポイントについて解説します。

旗竿地とは

旗竿地とは、四角形の土地と道路が長い路地で繋がっている土地のこと。上から見ると旗のように見えるため、旗竿地という名前で呼ばれます。

旗竿地は、その特殊な形状から、建て替えに規制を受けていたり、売買時に買い手が付きにくい等の問題を抱えています。そのため、四角形の整形地と比較すると取り扱いに注意が必要です。

道路に向かって細い路地が伸びている土地のこと

旗竿地の特徴は、奥まった場所にある土地と道路が細長い路地で繋がっていることです。

旗竿地の路地部分は、幅が狭く住宅の建築はできません。そのため、旗竿地は同じ面積の整形地と比べ、住宅を建てられる面積が小さいです。また、自動車の出入りも難しい場合があります。

旗竿地は建て替えができない場合がある

道路と接する通路の幅によっては、法律で建築不可物件とされている場合があります。

建築基準法は建築物の建て替えに対して条件を設けており、その一つが43条の接道義務と呼ばれる規定です。

住宅を建て替えるには、道路に原則4m以上接していなければなりません。この義務を満たしていない宅地は、家の面積が増減する工事や、更地に戻しての建て替えが禁止されています。

旗竿地は間口の幅が狭く、接道義務を満たしていない土地も多いです。その場合、再建築が規制されるため注意が必要です。

住宅の接道義務については、以下の記事で注意点を詳しく解説しています。

道路に面していない土地の売却方法!地域別の価格相場、高く売る4つのコツ

2019.07.22

旗竿地の相場と価格

相場価格
土地の正確な売買価格を調査するには、不動産鑑定士などの専門家に依頼しなければなりません。

ですが、おおよその目安は過去の売買価格から調査が可能です。また、不動産一括査定サイトを利用し、概算価格を確認することもできます。

旗竿地の相場は通常宅地の7~8割程度

旗竿地の価格は、同じ条件の通常宅地の7〜8割程度が相場ですが、周辺環境や立地で大きく上下するため、あくまで目安と考えてください。

価格の目安は自分で調べることができる

土地の価格は、条件の似た土地の実勢価格からある程度予想できます。

実勢価格は、その不動産の時価のこと。ほとんどの場合、不動産売買の過去の実績価格から算出されます。

日本での不動産取引は、国土交通省の土地総合情報システムからその記録を閲覧することができます。

以下は、2018年度の実勢価格を元に、地域別に旗竿地の平均価格を算出したものです。

都道府県名 坪単価(円)
北海道 101,782
宮城県 130,439
長野県 64,030
東京(23区) 1,476,047
東京(都市部) 589,097
愛知県 263,895
京都府 436,608
大阪府 411,351
広島県 199,975
徳島県 85,827
福岡県 186,230
沖縄県 178,179

参考:国土交通省|不動産取引価格情報検索

通常宅地と比較すると売買価格の低い旗竿地ですが、土地の価格を見ると一定の価値があることが分かります。

上記のサイトでは、土地の面積・住宅の間取り・駅からの徒歩時間など、細かい条件を指定して絞り込むことが可能です。お持ちの土地と近い条件を指定して価格を調べることが可能ですので、参考にしてみてください。

不動産一括査定サイトで価格を調べる

実勢価格の他に、不動産一括査定サイトで査定を依頼し、買取価格を調査する方法もあります。

実際に見に来るわけではないので、本査定とは価格が変動することもあります。ですが、複数の業者の査定価格を知ることができるため、不動産の相場を調べる手段として有効です。

また、一括査定を利用して、実地での査定を依頼する業者を絞り込むこともできます。旗竿地の売却を検討しているのであれば、一度利用しておくと良いでしょう。

旗竿地を売却する5つのコツ

不動産売却
建物を建てられる面積が限られ、場合によっては住宅の建て替えすら制限される旗竿地。そのまま仲介業者に依頼しても、なかなか買い手が見つからないこともあります。

しかし、工夫次第では早期売却や、高額での売却を狙うことも可能です。

隣人に買い取って貰う

売却手段の一つが、隣の土地の住人に買い取ってもらうことです。

隣人にも、敷地の拡張や売却時の値段の上昇といったメリットがあるため、不動産会社より高く買ってくれる場合があります。

隣地所有者にそれなりの資金がなければ実現は難しいですが、関係が良好であれば検討してみると良いでしょう。

隣人の土地を買い取って合筆する

通路部分の隣地を購入して一つに合筆する方法もあります。

旗竿型の形状が解消され、土地の面積も増えるため、高額での売却が期待できます。接道義務違反の土地であれば、そちらも合わせて解決可能です。まとまった資金がある場合は選択肢の一つになるでしょう。

旗竿地ならではのメリットを押す

デメリットばかり目につきがちな旗竿地ですが、実は、以下のように旗竿地ならではの利点も存在します。

  • 長い路地が前面道路への飛び出し防止になる
  • 隣地が壁となり道路から窓を隠してくれる
  • 隣家の存在が防犯対策になる
  • 公道からの騒音が届きにくい

こうした点は、特に子育て中の家庭には嬉しいポイントです。小学校の近くなど、子供のいる世帯の多いエリアなら、メリットとして紹介すると良いでしょう。

専任媒介での売却を検討する

専任媒介は、不動産契約の仲介を一社のみに依頼する媒介形式です。

土地を売却する場合、不動産業者に仲介を依頼することが多いですが、どの媒介形式を採用するかも重要なポイントです。

複数の業者に仲介を依頼する一般媒介とは異なり、専任媒介では依頼された一社が独占的に物件を取り扱うことができます。

一般媒介の場合、売れそうな物件をライバルに横取りされるリスクがあるため、不動産業者があまり積極的に営業しないことがあります。専任媒介であればその危険はなく、不動産業者も安心して営業を行えるため、比較的早期に土地を売却できる可能性があります。

訳あり不動産の専門業者に売る

不動産会社の中には、旗竿地や接道義務違反の土地など、訳あり物件を専門的に取り扱う業者が存在します。

旗竿地は通常宅地と比べると、需要が低く売却の難しい土地です。普通の不動産買取業者だと、安値を提示されたり、買取を断られる場合もあります。

その点、専門業者は独自の販売経路や運用のノウハウを持っているため、高額での買取が期待できます。複数社に査定を依頼する際は、専門業者にも相談し、価格を比較してみてください。

旗竿地が売れない場合に見直すべき三つのポイント

売却 見直し
もともと需要の低い旗竿地ですが、あまりにも長期間買い手が見つからない場合、売り方や条件に問題があるかもしれません。特に、1年以上何の問い合わせもない場合は、一度見直しが必要です。

買い手のつかない旗竿地の見直すべきポイントを3点まとめてみました。

売り出し価格は適正か

整形地より安い販売価格に設定しても、立地や周辺状況によっては売却が難しい場合もあります。特に、郊外で土地の需要そのものが低いエリアは、相場での旗竿地の売却は困難です。

どの程度売却を急ぐかにもよりますが、早めにお金に変えたい場合は値引きして売ることも視野に入れましょう。値引きのタイミングは、不動産売買の閑散期に当たる1月と8月を避けると買い手の目につきやすいです。

値引き金額をいくらにするかは物件によって異なりますが、3000万円までの物件であれば、一度の値下げは50万円までが一般的です。他に以下のような値引きテクニックもあります。

  • 3000万円を2980万円に値引きしてお得感を演出する
  • 不動産サイトの価格帯検索(500万円単位)を意識して端数を引く

値引き額に迷ったら、仲介業者の担当者に、似た土地の売却実績を聞いてみましょう。その上で最終的な値引き額を決定すると確実です。

一般媒介で買取を依頼していないか

先述の通り、一般媒介で複数の業者に仲介を依頼していると、不動産業者があまり熱心に営業してくれない場合があります。

旗竿地はただでさえ需要が低く売れにくい土地です。一般媒介のまま長期間経過しているのであれば、契約更新のタイミングで専任媒介に切り替えることをおすすめします。

一般媒介から専任媒介に切り替える場合、仲介を依頼しない業者には、満期で契約解除すると申し入れてください。仲介を依頼する一社には、専任媒介に切り替えたいと相談すれば対応してもらえます。もちろん、既存の業者は全て契約解除し、新しい業者に専任媒介を依頼することも可能です。

契約前によく業者と話し合い、信頼できる一社を選んでください。

リフォーム前提での販売になっていないか

旗竿地に立っている家が古く、リフォームが必要な場合も敬遠されがちです。

旗竿地の売却が難しい理由の一つは、路地が狭く工事しにくいため、リフォームの工事費が高くなること。そのため、ローンを組んでまでリフォーム前提の古い戸建や空き家を欲しがる人は少ないのです。

たとえ路地の幅が確保されていて、工事に問題がない場合でも「旗竿地だから」と門前払いされていることも考えられます。

内装だけでも新築同様にしておけば、その分家の需要も上がります。資金に余裕があれば、リフォームした上で売却することも検討しましょう。

まとめ

以上、旗竿地の価格相場、売却のコツ、売れない場合に見直すポイントについてご紹介しました。

普通の住宅用地と比較すると旗竿地は売れにくいですが、工夫次第で思わぬ高値で売却できることもあります。旗竿地の売却を検討している場合、是非今回の記事を参考にしてください。

両親から相続した実家を換金して兄弟で分ける場合など、早く売却したい事情があれば、業者の買取を利用することをおすすめします。媒介契約で仲介を依頼した場合、最低でも3ヶ月は余裕を見るべきですが、業者の買取なら、最短一週間程度で現金化できる場合もあります。

査定結果が希望価格より安い時は断ることも可能です。旗竿地の売却を検討しているなら、一度相談してみてください。