道路に面していない土地の売却方法!地域別の価格相場、高く売る4つのコツ

道路に面していない土地の売却方法
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道路に面していない土地は、建築基準法の規制を受ける、いわゆる再建築不可物件の一つ。宅地としての再利用が難しく、相続した実家が無道路地だった場合などに頭を痛める方も少なくありません。

また道路に面していない土地の相場は、同条件の通常宅地と比較して3~4割程度ですが、形状や周辺環境によって価格が大きく変動します。

そこで、今回は道路に面していない土地の相場、価格の調べ方、高く売るコツについて解説します。

道路に面していない無道路地とは

道路に面していない無道路地
一般的に、道路に面していない土地は無道路地と呼ばれています。無道路地は通常の住宅地と比較して、その用途や価格評価といった面で様々な制限を受けることとなります。

では、無道路地と呼ばれる土地は、法的にはどのような定義を受けているのでしょうか。無道路地の特徴と不動産としての評価を見てみましょう。

接道義務を果たしていないため建て増し・建て替えができない土地のこと

建物は、建築基準法43条の規定により、その敷地が2メートル以上道路と接していなければなりません。この決まりごとを接道義務と呼び、 接道義務に反した状態の土地を無道路地と定義しています。

無道路には、下記のようにいくつかパターンが存在します。

  • 他人の所有している土地に囲まれて道路と隔てられている
  • 道路と接している長さが2メートルに満たない
  • 道と接してはいるが、建築基準法上の「道路」ではない

接道義務を満たすことができる建築法上の道路は、必ずしも公道である必要はなく、2019年7月時点、下記の6種類が定義されています。

法第42条第1項1号から5号に該当する道路 道路法の道路(国道、県道、市道、町道、村道等)で幅員4m以上のもの。
(建築基準法第42条第1項第一号)
都市計画法や土地区画整理法などの法律に基づいて造られた道路で幅員4m以上のもの。(建築基準法第42条第1項第二号)
建築基準法施行時に幅員4m以上あった道。(建築基準法第42条第1項第三号)
道路法、都市計画法等で事業計画がある幅員4m以上の道路で、2年以内に事業が施行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
(建築基準法第42条第1項第四号)
道路位置指定を受けたもので、幅員4m以上あるもの。
(建築基準法第42条第1項第五号)
法第42条第2項に該当する道路 建築基準法施行時点で既に建築物が立っている幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものみなし道路)

上記の道路への接道義務を果たしていない土地は、建築物の建て替え・建て増しを原則として許可されない無道路地とされています。

参照:電子政府の総合窓口e-GOV|建築基準法-第四十二条

道路に面していない土地は、価値の低い訳あり物件の一種

無道路地は、立て替え・立て増しができないという、住宅建築用の土地として大きなデメリットを抱えています。

屋根と柱のみを残してフルリフォームすることは可能ですが、家の面積や構造への制限を受けます。そのため通常の宅地と比較すると需要が低く、 資産価値としての評価も低くなります。このような理由から不動産業界ではいわゆる訳あり物件としての取り扱いとされています。

無道路地の相場と価格

土地 価格相場
再建築できないため、財産として活用するのもひと苦労な無道路地。土地は持っているだけでお金がかかってきますので、うまく利用できないのであれば手放してしまった方が得な場合もあります。

そこで、ここからは無道路地の税金を算出する上での評価額と、実際に販売される際の価格、効率よく価格を調査するための方法をご紹介していきます。

無道路地は周辺環境によって価格が大きく変動する

無道路地の相場は、同条件の通常宅地と比較して3~4割程度ですが、立地や周辺環境によって価格には大きくばらつきがあります。

例えば、敷地の周辺を他人の土地で囲まれている土地は、道へ出るために周囲を囲んでいる囲繞地(いにょうち)を通らなければなりません。それに対し、道路と敷地が細い路地で繋がっている、いわゆる旗竿地であれば、駐車場や資材置き場として利用できるケースもあります。

このように、 無道路地であってもその形状や状況に応じて需要が異なるため一概に相場を出すのは難しいのが現状です。

相続税・固定資産税の評価価格

無道路地の価格の1つの基準として参考にできるのが、税金の評価価格です。

無道路地の評価価格は、路線価に基づいて対象の無道路地の価格を計算した上で、接道義務を満たすことができるよう、道路までの仮想通路を作成し、その費用を控除した金額が適用されます。

控除金額は、最大で土地の価格の40%までとされていますので、税金を算出する上での無道路地の評価は、同条件の通常宅地と比較して60%程度となります。

参考:国税庁|無道路地の評価

地域ごとの住宅の販売例

次に、地域ごとに住宅の販売価格を確認してみましょう。以下は、不動産販売サイトに出品されている、無道路地に建築されている中古住宅の価格データです。

東京都(23区) 平均価格:1782万円
最高価格:3480万円
最低価格:650万円
東京都市部 平均価格:3336万円
最高価格:8000万円
最低価格:980万円
神奈川県 平均価格:1432万円
最高価格:2190万円
最低価格:190万円
埼玉県 平均価格:1936万円
最高価格:3080万円
最低価格:1280万円
千葉県 平均価格:1935万円
最高価格:3480万円
最低価格:900万円
長野県 平均価格:865万円
最高価格:1150万円
最低価格:580万円
愛知県 平均価格:2240万円
最高価格:2980万円
最低価格:1500万円
京都府 平均価格:1851万円
最高価格:3600万円
最低価格:777万円
大阪府 平均価格:515万円
最高価格:550万円
最低価格:480万円
兵庫県 平均価格:587万円
最高価格:3520万円
最低価格:280万円
福岡県 平均価格:949万円
最高価格:1098万円
最低価格:800万円
北海道 平均価格:590万円
最高価格:980万円
最低価格:200万円

参考:LIFULL HOME’S

2019年7月時点で売りに出されている価格なので、相場を忠実に反映しているとはいえませんが、無道路地であっても一定の価格での販売が期待できることがお分かりいただけると思います。

無道路地の価格の調査方法

無道路地の価格を知るには、実際に見積もりを取ってみるのが最も確実な方法です。その中でも最もオススメなのが、不動産一括査定サイトで価格を調べる方法です。正確な価格は、実際に現地を確認してみないと分かりませんが、ネットのやりとりのみで事前に大体の相場を調べることができるので非常に便利です。

また、現地見積もりを依頼する業者に目星をつけるためにも使えるので、無道路地の売却をお考えの場合はぜひチェックしてみてください。

無道路地を売却する4つのポイント

売却ポイント
無道路地を売却する場合、通常の住宅地と同じように不動産仲介業者に売却を依頼すると、再建築が不可能で売買が難しいことを理由に足元をみられてしまう可能性があります。無道路地を売却するに当たり、知っておくと便利なコツをご紹介します。

隣地の所有者に売る

接道義務を果たしていない土地の売り先として、真っ先に候補に挙げられるのは隣地所有者です。もし隣の土地も無道路地で、一つの敷地としてまとめると接道義務を果たせるような場合は交渉もしやすく、特に狙い目でしょう。

ただ、この方法には下記のようにいくつかデメリットも存在します。

  • 隣人の資金が足りない
  • 売主に不利な内容で契約を迫られる可能性がある
  • そもそも土地の拡張を検討していない場合がある

このようなときは隣人に買い取ってもらうのは難しいでしょう。また、交渉がこじれるとご近所トラブルに発展する可能性もあるため、スムーズに進む見込みがなければ執着する必要もないでしょう。

隣地を買い取りまとめて売る

先ほどとは逆のパターンで、隣人が土地を手放すことを検討している場合に、買い取った上で一つの土地として売却してしまう方法です。

購入費用が余計にかかり、資金に余裕がなければ使えない方法な上、デメリットもほぼ上記と共通ですが、うまくいけば無道路状態を解消した上、高い価格での売却が期待できます。

訳あり物件の専門業者に売る

不動産を取り扱う業者の中には、訳あり物件を専門とし、資産として活用するノウハウを持っているところがあります。普通の不動産業者に依頼する場合、無道路地を買い取るのを嫌がったり、低価格で買い取られたりするリスクがありますが、独自のルートを確保している訳あり物件の専門業者を選ぶことで、予想以上の高価格で売却できる可能性があります。

不動産販売サイトで販売価格を確認する

不動産会社に買取を依頼する前に、不動産販売サイトで、販売中の物件の価格を確認しておくことをオススメします。売却したい土地と近隣のエリアであれば、土地の相場もそう大幅には変わりません。価格交渉の際のカードとして使えますので、買い叩きを防止できるでしょう。

まとめ

以上、道路に面していない土地の相場、価格の調べ方、高く売るコツについてご紹介しました。

道路に面していない土地は、近隣に売る場合でも、普通の不動産業者に売る場合でも、問題は土地の価値を正しく判定できない可能性が高いこと。

最悪の場合、交渉するだけしても話がまとまらず、徒労に終わることもあります。無道路地を高く買い取ってくれるのは、やはりその価値をよく知っている、訳あり物件の専門業者でしょう。

インターネットや電話からでも無料の査定依頼が可能です。相談だけして契約自体は断ることも可能ですので、無道路地の売却でお困りの場合、見積もりだけでも取ってみることをオススメします。